おはようございます!ソフトウェアエンジニアの中田です。この記事はGoodpatch Advent Calendar 2024の21日目の記事になります。
近年、クロスプラットフォーム開発の需要拡大とともに、Flutterが注目されています。しかし、Flutter特有の特性により、iOSやAndroidのネイティブ開発とは異なるUIデザイン上の課題が存在します。そのため、デザイナーはFlutterならではのデザインアプローチを理解し、知識を蓄える必要があります。
そこで、エンジニア主導でFlutterのUIデザイン改善施策に着手しました。本記事では、その取り組みをご紹介します。
Flutter UIデザイン「学びのステップ」を定義
エンジニア側の狙いは次のとおりです。
- Flutterならではのデザインの特徴をしっかり理解しながら、スムーズに作業を進められるよう支援したい
- 特に、デザインの一貫性や使いやすさを重視しつつ、デザイナーが直面しがちな悩みを解決するためのヒントやリソースを用意したい
これらを踏まえ、UIデザイナーへのヒアリングを通じて得られた知見を整理し、Flutter UIデザインにおける「学びのステップ」を定義しました。
この「学びのステップ」は、FlutterのUIデザインを理解しながら着実にスキルアップしていくための道しるべです。まずは実際にアプリを触って、「あ、こんな感じなんだ」と肌で感じ取ることから始めます。そのうえで、HIGやMaterial Design、Flutterのドキュメントなど、理論的な情報源を読んで「なるほど、こういう考え方があるのか」と納得感を深めていきます。最後に、実際のUIを具体的に形にしてみることで、「これなら自分でもデザインできる!」という手ごたえを得られるはずです。
この流れを踏むことで、ふんわりとしたイメージから、しっかりとした知識・技術へとステップアップできるはずです。実際に触れ、知識を整理し、手を動かす――そんなサイクルを繰り返すことで、自分なりのデザイン観を磨いていけるでしょう。
学びのステップ 1:経験則を高める
第一段階として、Flutterアプリに直接触れることで基礎的な理解を深めるための「Flutter App DB」を作成しました。気になるFlutterアプリをインストールして実際に使ってみる、というアクションを支援します。
現時点では、ステップ1までを施策のスコープとしています。
Flutter App DB
「Flutter App DB」では、アプリごとの紹介ページからストアへ直接アクセスできます。アプリの挙動、パフォーマンス、使い勝手などを確認し、これらの実例を通じて、直感的で一貫した操作体験を提供するための最適なUI設計を模索できます。
UIデザイナー向けFAQ
さらに、UIデザイン時によく生じる疑問や課題をまとめたFAQを用意しました。このFAQには、UIデザインを行う際に疑問に思う点を解決するための情報が詳しく記載されています。プロジェクト開始前に一読し、必要に応じて参照することで効率的に課題解決が可能になります。
おわりに
Flutter特有のUIデザイン手法を学び、実践するための「学びのステップ」の定義、そしてそれを支えるリソース(Flutter App DBやUIデザイナー向けFAQ)は、デザイン面での迷いを減らし、生産性と品質を高めるための基盤となります。
今後もエンジニア、デザイナー、そして関係者同士が互いに知見を共有し、高め合うことで、より洗練されたユーザー体験を創出していきたいと考えています。本記事でご紹介した取り組みが、皆様のFlutter UIデザイン改善のヒントとなれば幸いです。
Goodpatchではデザイン好きなエンジニアの仲間を募集しています。 少しでもご興味を持たれた方は、ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう!