プロジェクト炎上!?ピンチを切り抜ける方法5選

プロジェクトマネージャー(以下PM)のchakiです。

お仕事をやっていると炎上(いわゆるプロジェクトの危機)に直面することはありますよね。 デザインを提案して、「思っていたアウトプットと違う」と指摘が入り、お客さんと目線合わせして手直し。再度提案を行った際に

「前回伝えた内容がまったく反映されてないんですけど。」

「この2週間なにをされていたんですか??あの方は稼働してるんですか?」

適切に対処しないと、炎上が起こってしまいそうなシーンですね。

炎上すると、こんなことが起きます。

  • 会社の信用度ダウン
  • メンバー間の不信
  • 心がすりへる などなど

不幸せしかありません。

今日は、そんなピンチが起きてしまうパターンと、それを切り抜ける方法5選をご紹介したいと思います。

あなたの案件、上記パターンのどれかにあてはまってませんか?

ピンチを招くパターン5選

スキル不足

スキル不足の兆候

こんな声が上がってきたらスキル不足を疑いましょう。

例) 依頼主から

  • お伝えした内容と異なるものが上がってきました

メンバーから

  • 聞いていた話と違う
  • この案件、私たちがやるべきでしょうか?
  • 他の仕事が忙しくて時間が取れませんでした
  • ◯◯さんの仕事、姿勢について相談があります

考えられる要因

  • スキル不足を全体の問題に無意識に転嫁
  • 任せられた仕事に対しての回避、時間のかかりすぎ

対処法

  • 事実ベースで、依頼内容、困難だった箇所を淡々と確認。依頼主、メンバーともその原因の主張を聞く
  • 前提を疑ってみる(スキルの申告について詳細を確認、伝えていた業務範囲と認識を再確認)
  • 冷静な心でスキルアンマッチの可能性を考える

アンマッチであれば、

  • プロジェクトの中での役割や責任範囲を変更
  • バックアップ(スキル面の相談役・後見人)をアサイン
  • 交代

を、冷静に考えて進めましょう。

スキル不足は、「人の能力に対する批判」に繋がりがち。それゆえ自己申告も指摘もしづらい特性があります。

仕組みのせいかも、伝達ミスのせいかも。今回はたまたまかも・・・と、つい向き合うことから逃げてしまいがちです。

が!スキルが不足していること自体は、その人の人格否定につながるわけではありません。

  • その状況や条件において
  • 相手や案件の期待値に対して
  • アサインされた人の力が
  • うまくハマらなかった

だけ。より適した状態に導くのは、決して後ろ向きな行動ではないのです。

コミット不足

コミット不足の兆候

  • クライアントの意思決定者が定例会議に出てこない
  • 意思決定の会議に欠席、直前のキャンセルが多い
  • 宿題としてお願いしていたタスクがほぼ(or 一切)進捗していない
  • 主要メンバーの予定が埋まっており、会議設定がままならない
  • これらの状況が明白であっても、解決のための動きが見られない

考えられる要因

  • 意思決定者がプロジェクトに対して熱意を持っていない(不本意なアサインなど)
  • 兼務が多く、十分な時間が確保されていない
  • プロジェクトに必要と見込まれる時間が見積もられていない、または合意されていない

対処法

  • プロジェクトに対して確保してほしい時間、出席してほしい会議、対応してほしいタスクを明文化して伝える
  • 発生している事象、困っていることをしっかり伝える
  • 増員、交代、他業務の調整を依頼する
  • 責任者を明確にする

プロジェクトに対するコミット(責任もってやりきる覚悟、と言い換えてもいいかもです)が少ないとき、「やる気ないのか??」と思いがちですが(私が短気だからですかね笑)、

「もっと少ない稼働で済むと思ってた」「誰かなんとかしてくれるだろうと思ってた」「そんなに問題になってると認識してなかった」のように、問題に向き合えていないことも多々あるように思います。

その時に、まず打ちたい一手が「明確にすること」。課題、要望、責任者。これらをはっきりさせることで「そうか、やらなきゃな」という状態に変化させることが有効打になり得ます。

それだけでは打開しないこともありますが、課題がなんなのか、できることとできないことは何か、という次の議論に進められます。勇気を持って、解決すべき対象を明確にしましょう。

プロジェクト設計がない(スコープ・スケジュール)

プロジェクト設計不足の兆候

  • 全体スケジュールと詳細スケジュールが揃っていない
  • 要望はたくさんあるが、どれをやるかが決まってない
  • 要件リストがない
  • TODOリストがない
  • 会議が不定期開催
  • 納期と納品物が決まっていない
  • 会社や人ごとの役割分担が不明確
  • 意思決定のフローが決まってない

考えられる要因

  • プロジェクト設計を作る人がきまってない
  • やることは溢れてても、まとめる部分をやる人がいない、まとめる役割が誰かを決められていない
  • できてないことはわかっていても、巻き返す行動がとれない

対処法

  • スコープの考え方を顧客と再確認する
  • 登場人物の役割を再整理する、穴があればだれが役割を担うのか確認
  • 予算内の意思決定フローを確認、追加費用の意思決定フローを確認
  • お客さまの要望を一覧で作成し、スコープの考え方をベースにスコープ有無を決定する
  • スケジュールの大日程を作成し、どうしても落とせないスケジュールを顧客と擦り合わせる
  • プロジェクトの大きな区分けを整理する
  • 要件リストを区分けごとに割り当て
  • 要件ごとにTODOを作成
  • スケジュール精緻化

急ぎ目で始まったプロジェクトなど、整ってない場合もあります。まあスケジュールが可視化されてなくてもざっくりイメージは擦り合ってるからなんとかなる、は落とし穴。面倒でも、必ず可視化、合意をしましょう。

人は都合のいいように想像し、解釈してしまいます。大事。

途中で中核メンバーが離脱

メンバー離脱の兆候

  • この案件やる意味あるのかなどの後ろ向き発言が多発
  • プロジェクトメンバーの定例会に来なくなる
  • 1on1があまりできてない
  • 前提確認や役割を気にして自分の仕事じゃないことを主張する
  • 業務過多になったり負荷が高い状態で折れぎみ

考えられる要因

  • プロジェクトの目的やゴールがメンバーで意識統一できていない
  • プロジュエクトの全体像と現在地がわからない
  • 思うことを伝える場所がない
  • 自分にとってのやりがいやメリットが感じられない

対処法

  • 業務を洗い出し、役割と担当を残留メンバーに割り振る
  • サポートメンバーの追加アサイン
  • スコープを削減する交渉をクライアントと行い、物理的な業務量や範囲を減らす

これに関しては、そもそも発生しないように予防にも触れておきます。

  • 大丈夫そうに思えても、1on1など会話の機会を定期的に設け、心情や状況変化を確認しておく

といった、ちょっとしたメンテナンスも大事になります。こまめに話を聞くことを心がけましょう。 いつも気にかけてくれるこの人だから、ちょっと大変な仕事でもやっていこうと思ってもらえることもあります。

不誠実な対応

これは少しキナくさいトピックですが、たまに発生し、炎上に繋がりやすいパターンなので挙げておきます。なかなかに闇深いのですが、プロジェクトを成功させるためには対応が必要です。 それは「やっかいな人物がいる」というケースです。

たとえば、現場の統括にあたる人物が、

「現場メンバーと上司に対し矛盾する情報伝達・報告をしている」

「できていないことを隠し、取り繕った報告や会話をする」

などの行動をとっている場合。矛盾や取り繕いは遅かれ早かれ露見し、「話が違う」となって炎上を招きます。

不誠実な対応の兆候

  • クライアントから報告書の再提出を求められる
  • 事業責任者から活動内容についての説明を(担当をスキップして)求められる
  • 決裁権者など主要人物から「その話は聞いていない」などの発言が出る

考えられる要因

  • 担ったタスクやプロジェクト進捗を報告する立場にある人物が、その責務を全うできていない(把握不足、コミット不足など)
  • (意識/無意識どちらのケースもあるが)自分に不利な情報を隠したりごまかしたりしている

対処法

こうなったときの対応はなかなか難しい(人による、状況による)のですが、一つの方針としては「誠心誠意状況に向き合い、情報を共有する」があります。

  • 事実を集め、可視化する
  • 情報伝達不足、認識違い、前提の齟齬の整理と共有
  • (どうしても悪者ができてしまう場合)最大のリスペクトと状況への理解を示し、表現や報告において追い詰めすぎないように配慮する
  • 過去を責めるのでなく、今後どうするかに焦点を当てた方策を提示・議論する
  • これらを推進できるマネージャーやディレクターを投入する

こじれてしまった場合、その当事者間だけでは言い出しにくかったり、力関係があったり、その後の関係性への配慮からくる躊躇などがありがちです。

やっかいな人物がいる状況においては、しがらみがない人物を投入し、その状況を解決に導く役を担ってもらうのもよい手となります。経緯を知らなくてOK、というか知らないからこそ切り込んでいけます。案件の統括や組織の上役の出番ですね。

とはいえ。そう簡単にお助け役が見つからないときもあるでしょう。そういうときは、「この案件から外されてもいいや」くらいに腹を括ってサバサバと対応することをお勧めします。忖度と配慮をしすぎても、悪い状況が続くだけ。さらなる悪化すらあり得ます。所詮はビジネス上のおつきあい。気にしすぎて心をすり減らすより、開き直って対応することで開ける道もあると思います。

これからピンチに向き合おうとしているあなたへ

そもそもピンチが発生しないよう、プロジェクト管理に十分な時間を割いたり、プロジェクトマネージャーをアサインできればよいのですが、そうもいかないのが現実です。

メインとする職務やタスクがありながらピンチに対応しないといけない状況って、ありますよね。

プロジェクト設計や遂行の監督ができていたら、このピンチ起きてないのになぁ・・。と思いながらも日々ピンチに向き合う必要があるあなたへ、この記事のどれかひとつでも状況打開のヒントになれば幸いです。

またこの先も、しっかりとした準備、遂行を行う余裕がない!という時にも、本記事に記載した要素を気にしておくだけでも、ある程度はピンチを防げるかなと思います。

プロジェクトピンチに陥らない方がレアなので、私も奮闘の日々です。一緒に乗り越えていきましょ!

↑昼間なのに深夜テンションみたいな文章になりました。なんか恥ずかしい 笑

goodpatch-tech.hatenablog.com

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