5分ではじめる、iOSのアクセシビリティ対応

こんにちは。iOS Developer の katoです。

2024年5月16日は 世界各地でアクセシビリティを考える1日、GAAD(Global Accessibility Awareness Day)でしたね。 GAAD Japan 2024アクセシビリティの祭典 2024 など様々なイベントが開催され、私もオンラインで参加しました。

その中で紹介されたアクセシビリティ対応の進め方として「完璧でなくても、できることから取り組む」という考え方があります。

そもそも世の中には様々な人・状況などが存在しするため、アクセシビリティを完璧にすることは非常に難易度が高いです。 「現状よりもちょっと良く」を繰り返して、いまよりもアクセシブルな世界を目指すという考え方です。

そこで今回は、たった5分で、エンジニア主導で始められる、簡単に実装できるアクセシビリティについて、いくつか紹介します。

「反転(スマート)」に対応する

画面全体の色を反転する機能です。 「反転」という名前ですが、実質的には強制ダークモードのような機能になっており、すでに黒い画面は白くなりません。 また、写真・動作などのメディアコンテンツは、この機能を影響は受けません。

白画面が眩しいと感じる人、暗い環境でダークモード非対応のアプリを使う人などが必要としている機能です。

エンジニアが実装すること

  • すでに黒背景のデザインの場合、画面全体がこの機能の影響を受けないようにする
  • 写真・動画などのメディアコンテンツは、この機能の影響を受けないようにする

関連するAPI

「視差効果を減らす」に対応する

ユーザーインターフェースの動きを減らす機能です。 アニメーションで酔いやすい人、移動中など酔いやすい環境でアプリを使う人などが必要としている機能です。

エンジニアが実装すること

  • アニメーションを実装している場合、この機能がONだったら簡易的なフェードアニメーションなどに置き換える

関連するAPI

エラー文言は「次にすべきアクション」がわかるようにする

すべてのテキストをデザイナーが監修していることが理想ですが、エラー文言はエンジニアが決めることもあるかと思います。 ユーザーが困らないように「なにをすればよいか」わかるようなエラー文言にする必要があります。 エラーに遭遇したすべての人が必要としています。

エンジニアが実装すること

  • APIエラーのテキストに、次にすべきアクションを入れる(例えば、「時間をおいて試しくてください」「問い合わせしてください」など)
  • 入力フィールドにはバリデーションエラーを実装する

アイコン画像を読み上げる

画像にラベルを指定していないと、VoiceOverで画像名が読み上げられてしまいます。 いきなりVoiceOverに完全対応するのはハードルが高いですが、まずは画像読み上げから始めてみてはどうでしょう? 目の見えない人など、VoiceOver等の機能を使用している人が必要としています。

エンジニアが実装すること

  • 画像に accessibilityLabel を設定する

関連するAPI

VoiceOverに興味がある方は、こちらの記事もおすすめです。 goodpatch-tech.hatenablog.com

おわりに

どうでしょうか。 アクセシビリティというと難しそうに聞こえるかもしれませんが、一歩踏み出すのは意外と簡単ですよね。

Goodpatchではアクセシビリティに興味のある仲間を募集しています。 少しでもご興味を持たれた方は、ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう!